オーボエをはじめよう | オーボエ入門講座・選び方 管楽器専門店 永江楽器
リードを学びましょうオーボエは、リードが命といっていいほど、音色や音程に一番大きな影響を与えます。自分に合ったリードを見つけて練習することが上達への近道です。
リードの素材オーボエのリードは、クラリネットやサックスと同じく、葦の茎(ケーン)で出来ています。
葦は、沼や川辺に生えるイネ科の植物で、吸湿すると水分を含んで膨らみ、乾燥すると収縮します。 リードに使う葦は太さが9o〜11.5o、伐採して2年ほど乾燥させたものを材料としています。 湿度や、気温には敏感な天然素材のため、演奏後のお手入れや、使用しない時は必ず専用のリードケースにしまう等、取り扱いにも気を配りましょう。 リードの種類
■ショートスクレープ
一般的に販売されているオーボエリード手工品のほとんどは、この「ショートスクレープ」というタイプです。 ■ロングスクレープ
削る部分が18o以上、また根本からリード全体を削ってあるものが「ロングスクレープ」というタイプです。一般的に、アメリカンスタイルと呼ばれています。 リードの選び方
見た目でチェック
・リードの先端に、歪みや割れがないか。 吹いてチェックリードだけでCか、Bの音を出してみましょう。アンブシュアに負担をかけずに、スムーズにロングトーン出来れば、まずは合格です。 楽器につけてチェック
楽器につけて吹いてみましょう。 音を出してみましょうリードの準備水を張るための小さな入れ物を用意し、リードの根本位(糸の巻き終わり位)まで浸します。浸したら、3分〜5分ほど放置し、リードの色が変わり、開いてくるのを確認します。開きが大きすぎると息が入らないので、指の腹でやさしく揉んで、開きが0.5〜1o位の幅にしてから使います。
音の出し方リードを下唇の真ん中において、上唇をやさしくかぶせるように口を閉じます。
唇はかるく巻きこむように、「ウ」の形(口笛を吹くようなイメージ)で、息を入れてみてください。 アンブシュア(口の周りの筋肉とその形)は、唇を横に引かないよう注意して、ふだんの口の幅より広がらないよう心掛けましょう。鏡を見ながら練習するとコツをつかみやすいです。 楽器の構え方リードを楽器に差し込んだら、楽器を構えて音をだしてみましょう。
リコーダーを吹くときのように、指を順番に押さえていくと、音が下がっていきます。 運指表なども載っていますので、最初は教本に沿って練習することをおすすめします。 楽器の組み立て方は、こちらをご覧ください。 |
オーボエの一番魅力は、独特の鼻にかかったような、暖かい音にあるのですが、もともとはチャルメラを原型とした楽器であって、実に色々な種類の音を出すことができ、奥深い表現力を秘めた楽器でもあるのです。
その昔はバロック時代から、多くの作曲家たちが愛してやまなかったオーボエの音、あなたも魅了されてみませんか?
目次
オーボエの歴史を学びましょう
15〜16世紀頃にフランスで改良が加えられ、「オーボエ」と呼ばれるようになったのは17世紀に入ってからでした。
17世紀に入り、ミサ曲などの宗教曲にバッハ、テレマンらが好んでオーボエを使用しました。当時の優れた職業音楽家の為に書かれた協奏曲も残っています。
19世紀頃から徐々にキイの数が追加されてゆき、フランスのトリエベール父子によって、現在採用されているキイシステム「コンセルヴァトワール・システム」が完成。それまで簡素なメカニズムであったオーボエは、複雑で機械的な構造へと変貌を遂げました。 唯一、古典的な形を残しているのが、現在もウイーンのみで使用されている「ウィンナー・オーボエ」です。
オーボエの種類を学びましょう
オーボエ
もっとも一般的なのがC(ド)を基調としたオーボエです。
現在のオーボエには、「コンセルヴァトワール・システム」というキイ・システムが採用され、その中で「フル・オートマティック・システム」と「セミ・オートマティック・システム」に分かれています。
フル・オートは、より複雑な構造を持ち、吹きこなすにもパワーを必要とします。また、ドイツスタイルの音色を好む奏者に使用されています。
セミ・オートは、比較的調整が簡単で扱いやすく、運指の工夫次第では現代曲などの特殊奏法にも対応しやすいので、初級〜上級モデルまで多く普及しています。
オーボエ・ダモーレ
オーボエよりも管が長く、低い音域の楽器で、A(ラ)を基調としています。
ベルが球根のような形をしており、甘く柔らかい音色が特徴です。
バロック時代に発明された楽器で、バッハが好んでミサ曲等に使用しました。近代曲ではラヴェルの「ボレロ」等にも使用されます。
イングリッシュホルン
オーボエダモーレよりもさらに低い音域で、F(ファ)を基調とした楽器です。
ベル部分が卵型で、独特の音色を作り出しています。
オーボエよりも、太く存在感のある特徴的な音色は、多くの管弦楽曲で用いられ、ほとんどの奏者がオーボエと持ち替えで演奏します。
バスオーボエ
オーボエよりも1オクターブ低い楽器です。
フランス人のロレーが1889年に完成させましたが、欠陥が多く、その後1904年にドイツで「ヘッケルフォン」という名で再び誕生しました。
一部のオーケストラ曲で用いられますが、あまり演奏される機会の少ない楽器です。
オーボエの選び方
価格帯によるグレードの違い
オーボエは40万円台から100万円以上のものまであり、本体の木の品質や、操作性をよくするためのオプションキーの多さなどで決まります。
中には20万円前後のオーボエもありますが、繊細で複雑な構造のオーボエは定期的なメンテナンスが必要のため、長くお使いいただくためにはある程度良質の楽器をお求めになるのが無難です。
セミオートとフルオート
オーボエにはオクターブキーの操作が異なる、「セミオート」と「フルオート」があります。
■ セミオートマチック
第1、第2オクターブレバーを操作する必要がありますが、構造はフルオートよりも単純でパーツが少ないのが特徴です。調整が狂いにくく、世界的にもセミオートが主流です。■ フルオートマチック
第2オクターブレバーがなく、操作は簡単ですが、使われているパーツが多く構造が複雑なため、調整が狂いやすく、息を入れた際、セミオートよりも抵抗感があります。楽器の個体差
オーボエでは、同じメーカーの同じ機種の中でも、若干の個体差が生じます。原材料が自然のもので、密度や強度に微妙な差があることが一因です。また、楽器の製作過程には職人が手がける部分も多く、その微妙な具合も一本一本の個性となると考えられます。
そんな中から自分に合った楽器を見つける方法としては、自分で複数の楽器を吹き比べるという、方法があります。
また、吹き比べることが困難な場合、プロの演奏家によって選定された「選定品」を購入する、という方法もあります。
日頃から多くの楽器に接する機会を持つプロ奏者は、吹奏感、音色、その楽器の可能性などトータルな見地で楽器を選定していますので、楽器を選ぶ際の大きな指針となります。
オーボエのメーカーを学びましょう
ビュッフェ・クランポン
ヤマハ
入門モデルから上級者モデルまで多くの機種を作っており、幅広い層に演奏されています。
マリゴ―
リグータ
息の通りがスムーズで吹きやすく、高い技術を要求される現代曲など、特殊な奏法をする場合にも適しており、ハインツ・ホリガーなど、世界中のソリストたちに愛されています。
外観も繊細でもっとも美しく、フランス、ロシアなどをはじめ、アメリカの奏者にもよく使用されています。
おすすめの機種
入門クラス
お求めやすい価格帯の機種ながらしっかりとした作りで、よく響き、遜色のない上品な音色をもっています。
中〜上級クラス