革命を起こしてきたクランポンの歴史

19世紀のクラリネットの歴史における最初の偉大な革新者、ルイ＝オーギュスト・ビュッフェとイアサント・クローゼは、ベームの可動リングを採用し、初期のポリシリンドリカルボア（異なる内径を持つ複数の円筒管から構成される、多円筒管とも呼ばれる内径形状）の開発によって楽器の音を進化させました。

20世紀、ロベール・カレはジャック・ランスロの協力のもと、現代のクラリネットにおける音響技術の基礎を確立し、1954年と1975年にそれぞれ発表された2つの神話的クラリネット“R13”と“RC”を製作、ポリシリンドリカルな内径系統の楽器を飛躍的に進歩させます。
20世紀末には、業界にセンセーションを巻き起こした新素材、Green-LinE®（グリーンライン）を発表。
そして21世紀の革命ともいえる新モデル“BCXXI”は、エリック・バレと4人のテスター、ミシェル・アリニョン、ニコラ・バルディルー、マルティン・フレスト、ポール・メイエによって開発されました。

新しい価値観の提案

B♭クラリネットの下管が数センチ長くなり、かつ音孔配置が見直され、最低音LowE♭がウッディな音色で豊かに鳴ります。
管体は長く、よりシリンドリカルな（円柱状に近い）内径形状へ。シャリュモー音域全体が美しく響きます。
短いベルは、E/EとF/Cの基本音の精度を左右せずにクラリネット全体の響きやバランスを大幅に向上させました。
高音域は、特に細長い下管のおかげで、驚くほど安定した音を楽に出せるようになり、中音域においては、音色を損なわないB♭第3の運指で美しい音色を保ちながら滑らかに演奏ができ、加えてレパートリーで使用される特定の指使いも見直すことができるようになりました。

左手のG♯/C♯、D/Aを最適化、Dホールに人間工学に基づいたわずかな段差がつけられたことで、左手の指を同じ高さで構えることができます。
短いベルとカーボンワイヤー製接合部リングを採用したため、楽器の重量は従来のクラリネットと同等に設計されています。
LowE♭が必要なレパートリーや、A/B♭クラリネットで書かれたすべての曲が1台で演奏可能に。
“BCXXI”は新たな音楽の可能性を追求できる楽器として称賛を得ています。